前回の記事では、クラウドサービスのメリットについてお話しました。
もちろんクラウドサービスはいいことばかりではなく、事前に確認・検討しておかなければならない点もあります。
今回は、クラウドサービスをいざ自社に導入する場合に気をつけるべきいくつかのポイントについてお話したいと思います。
まず最初は、やはりセキュリティ面です。
自社の重要な情報をクラウドサービス事業者に預けることになるわけですから、不安に思うのは当然のことと思います。
クラウドサービスを導入するにあたり、どの情報を取り扱うのか・利用者は誰にするのか・自社側の管理者は誰なのかなど、事前に決めておきます。
またクラウドサービス事業者に対しては、どのようなセキュリティ対策が取られているのかという点も確認します。
自社の重要情報がサイバー攻撃により滅失・棄損しないようデータバックアップの取得体制も重要です。
自社とクラウドサービス事業者の責任分界点についても契約書で確認し、事故が起きた場合の保障についてもチェックしておきます。
2点目は可用性(自社で使いたいときにいつでも利用できる状態が保証されていること)です。
ECサイトなど自社のサービスを提供する場合には、システムダウンにより利用できない時間が発生すると取引上もマイナスになります。
クラウドサービス事業者に対しては、サービスの稼働率をSLA(サービスレベルアグリーメント)として提示してもらうようにします。
※稼働率 =((全時間-システム停止時間)/全時間)
※SLA(サービスレベルアグリーメント);サービスの品質保証
3点目は使いやすさ・操作性です。
会社の決定でクラウドサービスを導入しても、実際にこれを使用する担当者が使いづらいと感じたら、そのうち使われなくなるというのはよくある話です。
クラウドサービスは概ね1か月程度のお試し無料利用期間があります。
この期間中に自社の業務にサービスが合致しているか、操作性はどうかといった点を検証してから、導入を決定するようにします。
できれば複数のクラウドサービスを比較検討することが望ましいです。
最後はサービスの継続性・サポート体制です。
いくらクラウドサービスが優れていても運営する事業者がサービスを停止してしまったら、困ります。
クラウドサービスの内容だけではなく、できればクラウドサービス事業者の財務状況、また導入しようとしているサービスが、新サービス投入により近日中に停止予定になっていないかという点も確認します。
利用者にとって操作上の分からない点などをいつでも聞けるカスタマーサポートの窓口が存在するか、また保守サービスは有料なのかという点も確認しておきます。
以上見てきたようにクラウドサービスを導入する前にチェックするポイントは多岐にわたります。
導入してからトラブルにならないように、すくなくとも1~2か月は準備期間を設けて導入の可否を検討しましょう。