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AI・機械学習・深層学習についてそのエッセンスを学んでみましょう!

AIモデル

AI・機械学習・深層学習などと言われても、専門用語はよくわからない、でもそのエッセンスだけでも知っておきたいという方も多いと思います。
ここでは、これらのワードについて解説します。

まず言葉の意味を定義してみました。

AI コンピュータにより人工的に人間の頭脳の働き・知能を再現するもの。
機械学習 コンピュータに学習アルゴリズム(ルール)を構築させるもの。
深層学習 機械学習の中でも人間の頭脳を模したニューラルネットワークによって学習させるもの。

最も広い概念としてAI(人工知能)があり、機械学習はそのAIを構築するするための学習方法を意味し、更にその機械学習の中でも特殊なケースが深層学習(ディープラーニング)ということになります。

機械学習によって構築された学習済モデルを一般的にはAIと呼称します。
AIにも強いAI(知識と自意識を持った汎用人工知能)と弱いAI(特定の課題解決を担う特化型人工知能)がありますが、現在実現しているAIは弱いAIの方です。

ここで機械学習の学習モデルには以下の3通りがあります。

教師あり学習 入力となるインプットデータと、そのデータから出力されるべき正解となるアウトプットデータを読み込ませ、インプットデータからアウトプットデータを導出するアルゴリズム(ルール)を学習させる。

このアルゴリズム(ルール)により未知のデータを読み込ませたときに正解を推測することが可能になる。

教師なし学習 入力となるインプットデータのみを読み込ませ、インプットデータの特徴を捉えて、データの要約方法を見つけたり、似たような要素から構成されるグループに分類する学習方法。
強化学習 リアルタイムに発生するようなデータに対して、試行錯誤を繰り返しながら、価値を最大化する行動をとれる学習をする。

強化学習の例としてエアコンの室内温度自動調節機能について考えてみます。
最初にある温度を設定(例えば25度など)すると、暑がりの人は室温を下げますし、寒がりの人は室温を上げます。
エアコンの室内温度自動調節機能はユーザーの室温設定を何度も学習し、徐々にその人に合った適温を探り出します。
この学習方法が強化学習です。

 

上述の通り、深層学習(ディープラーニング)は人間の頭脳を模したニューラルネットワークを利用した学習方法です。

ニューラルネットワークとは、以下のような入力層・隠れ層・出力層から構成されるネットワークです。

隠れ層が2層以上のニューラルネットワークをディープニューラルネットワークと言い、その機械学習を深層学習(ディープラーニング)と言います。

ニューラルネットワーク

AIでできることはまだまだ限られた範囲内ではありますが、不良品検査・部品の故障予知・顔認証・レントゲン診断・金融機関の与信業務などに既に利用されています。

最近では、SNSの投稿を分析し、タレントの好感度やテレビでの発言の視聴者への影響をAIが分析して、営業活動やタレントの育成に活用する例もあるようです。

ABOUT ME
早稲田大学政治経済学部卒業。 みずほ情報総研株式会社(現みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)、政府系金融機関SI企業勤務を経て、2020年アイトクコンサルティング設立。 ITを活用した業務改善、セキュリティ対策、クラウドサービス導入など中堅・中小企業を中心にIT・経営支援に従事。