江戸時代の本草学者・博物学者である貝原益軒は70歳を過ぎてから、著作活動に専念し、60部270余巻もの著作を残したそうです。
享年84歳です。
学生時代に日本史で「大和本草」ー「貝原益軒」と暗記した経験した方も多いのではないかと思います。
私はその著作の中でも「養生訓」が好きです。
「養生訓」は江戸時代のベストセラー健康指南書です。
食生活や睡眠、入浴方法などライフスタイルに関わることが事細かに書かれています。
ですが、長生きの秘訣としては、心を平静にすることも重要だと書かれています。
私の好きな一節です。
”世のなかの人のありさま、わが心にかなはずとも、凡人ならばさこそあらめと、思ひて、わが子弟をはじめ、人の過悪を、なだめゆるしてとがむべからず。いかり、うらむべからず。
又、わが身不幸にして福うすく、人われに対して横逆なるも、うき世のならひかくこそあらめ、と思ひ、天命をやすんじて、うれふべからず”(巻第八)
私なりの解釈は、
世間の事、自分の思うようにいかなくても人とはそんなもの、誰かをうらんだりしない。
自分の人生はついてないなと思っても、世の中ってそんなもの、気にしない!
経営者やサラリーマンなら、うまくいかないことばかり、誰かに怒りや恨みをおぼえないことはないと思いますが、この一節を思い出すと、自分の悩みなんか、なんとなく流してしまえばいいかな、って思えます。