ある製造メーカーは3つの問題を抱えていました。
・製品の品質が競合より劣る
・コストが高い
・営業スタッフの技術知識が乏しく、営業力が弱い
品質が悪く、高コストでは製造メーカーとしては、最悪です。
いくら品質を改善しても、営業スタッフがそれをうまく伝えられなければ、製品は売れません。
品質と営業を強化しても、高コストでは利益もあがりません。
そこで経営者は3つの問題をひとつひとつ、各々1年かけて改善することにしました。
最初の1年は、品質改善に集中します。
1年かけて、業界で最も信頼性・効率性の高い製品を作ることを宣言し、取り組みます。
次の1年では、製造エンジニアが教育係となって、営業スタッフに品質改善を教え込みます。
最後の1年で生産工程をすべて見直し、コスト削減に成功します。
最初から全部一度にやればいいではないかと思うかもしれません。
ですが、
大きな課題を一度に取り組めば、どれも小手先の改善で終わってしまいます。
3つの問題は、独立したものではなく、それぞれが絡み合い、中途半端な改善では、根本的な解決にならないからです。
このように3つのプロセスをひとつひとつ時間をかけて改善したことにより、競合がまねしようとしても、簡単にはまねができない業務プロセスが完成します。
業務改善はシンプルにひとつひとつ紐解くことで、競合を差別化できる優位性を築くことができます。
ひとつひとつシンプルに課題をクリアすることが、強みになります。