AI事業者ガイドラインは一度確認しておきましょう
AI事業者ガイドラインは、経済産業省と総務省により、AI開発者・サービス供給者・AI利用者に向けたガイドラインです。
特にこれまであまりAIに縁がなかったAI初心者・利用者にとっては、全部で40ページ程度の冊子ですので、ご一読をお奨めします。
本稿では、「第5部 AI 利⽤者に関する事項」について、以下にその要約のみ記しました。
AI利用者は、安全で信頼できるAIシステムを適正に活用し、業務効率化や生産性向上の恩恵を受けることが重要である。また、人間の判断を介在させることで、尊厳と自律を守りつつ予期せぬ事故を防ぐことができる。AI利用者は、AIの能力や出力結果に関して説明を求められた際に、提供者のサポートを得ながら適切に対応し、AIを効果的に利用するための知識を習得することが求められる。
AI利用者が意識すべき重要事項は以下のとおりである。
適正利用の確保
- AI提供者が定めた利用規則を守り、設計範囲内でAIを活用する。
- 入力データの正確性や最新性を確保し、出力の精度やリスクを理解する。
公平性の確保
- 入力データやプロンプトのバイアスを考慮し、公正なデータを用いる。
- AIの出力結果を責任を持って活用し、事業判断に反映する。
プライバシー保護
- 個人情報を不適切に入力しないよう注意し、プライバシー侵害を防止する。
セキュリティ対策
- 提供者が示すセキュリティ対策を遵守し、機密情報の不適切な入力を避ける。
ステークホルダーへの情報提供・説明
- AIの公平性・透明性を確保し、ステークホルダーに適切な情報を提供する。
- AIの出力を特定の個人や集団の評価に用いる場合、適正な手続きを守り、説明責任を果たす。
文書の活用と規約の遵守
- AI提供者が提供する文書を適切に管理し、サービス規約を順守する。
また、高度なAIを扱う利用者は、特別な指針に従い、適切な範囲で対応する必要がある。
プロンプト(AIとの対話で実行する(コマンドラインで入力する)指示や質問など)に関するセミナーやコンサルティングを最近よく目にします。
こういったものを利用するのも良いと思います。
ですが、ChatGPTなど生成AIを利用するのは、要約やひな形の提供など、事務処理の省力化を目的とすることを第一と考えた方がよいです。
(製薬会社が新薬開発のためにAIを利用する、マーケティング部門が需要予測に利用するなどの開発を伴う高度なものは別です。ここでは、あくまで一般的な利用者によるAI利用を想定しています)
独創力が必要とされる文書やキャッチコピーなどは、やはり自分の頭と感性で考えることを第一としてください。
そうでないと競合との差別化が図れません。
あくまでビジネスの主役は人間でありたいです。
AIを特許権の保持者として認めるべきか?という裁判がありましたが、主役はAIで、人間が使われているのでしょうか?