私たちは物事を二極化して考えることがよくあります。
男性と女性、経営者と従業員、与党と野党、などです。
例えば人口の2パーセントの人が国全体の資産の50%を保有しているなどという報道を耳にすれば、金持ちと庶民という構図が直感的にわかりやすく伝わります。
弱者対強者の構図はわかりやすく、テレビドラマでもよくこの手の対決がテーマになります。
「下町ロケット」、「陸王」なども町工場対大企業という構図が、ストレートに視聴者にアピールします。
私の世代ですと、「巨人の星」などのスポコン漫画、貧しい家庭の星飛雄馬と金持ちの花形満のライバルストーリーも同じ現象です。
世界に目を向ければ、先進国と発展途上国、欧米対アジア、といった構図も二極化したものの考え方です。
下図は横軸に所得、縦軸に女性一人当たりの出生数を国別に表現したプロット図です。
〇の大きさは人口を表し、カラーは赤がアジア、緑が南北アメリカ、青がアフリカ、黄色がヨーロッパ&ロシアです。
このプロット図を見ると、所得が多く、子供の少ない先進国と、所得が少なく、子供の多い発展途上国に世界は分かれているように見えます。
確かにそうなのですが、これは1966年の世界の状況です。
下図は2018年のプロット図です。
こちらを見ると、すでに大半の国は中間レベル以上の所得があり、子供の数も少ない状況になっています。
私たちの頭にある世界観はすでに50年前のもので、実は大部分の国が中間層に移行しています。
ビジネスにおけるファクターも決して固定的なものではなく、常に中間層が生まれています。
例えば、男性と女性という二極化だけでは括れないLGBDの方のためのジェンダーレスファッションという産業が生まれたのもこのような発想の転換によるものだと思います。
【参考】Gapminder(https://www.gapminder.org/)