二毛作ビジネスという言葉を聞いたことがありますか?
飲食店などでよくやっている、昼はカフェ&夜はバーという時間帯別に店舗の形態を変えて行うビジネスです。
二毛作ビジネスは外食産業では以前からよくありました。
私も以前働いていた職場近くに、昼は定食屋&夜はスナックという店がありました。
私の場合は専ら昼休みに同僚と昼飯に行くという感じでしたが、そうでない顧客層は夜のスナックに行くため、二毛作ビジネスは、違う顧客層に対して、集客ができるという利点があります。
作業服販売大手のワークマンが二毛作店舗を開業したという記事を先日の日経新聞が報じていました。
ワークマンには、作業服ブランド「ワークマン」と、アウトドアアパレルブランド「ワークマンプラス」という2つのブランドがあります。ひとつの店舗を時間帯に分け、早朝と夕方は「ワークマン」、昼は「ワークマンプラス」に分け、看板や室内装飾、BGMも時間によって変えるそうです。
二毛作ビジネスという外食産業のノウハウをアパレル店舗に取り込んだ手法も素晴らしいですが、作業服製造で培った強みをアウトドア商品の新商品・新市場開発に活かした、その戦略が更に素晴らしいと思います。
二毛作ビジネスを成功させる背景には、既存顧客だけではなく、あらたな市場を開拓できる製品・サービスを創り出すことが前提になります。
ワークマンは、製造する作業服ノウハウから、
・高温バーナーを扱う溶接工が着る耐火性に強い作業服から、アウトドアでバーベキューをする時に着る服を
・湿って滑りやすい厨房で履くための滑りにくい靴から、湿ったコンクリ上を歩くための女性靴を
開発しています。
このように自社の強みを活かして新製品開発をすることで、新たな市場を切り開くことができます。
M&Aだけが多角化ではなく、既に自社にある資源から、自社にこれまでなかった製品・市場を開拓するいい例だと思います。